不動産を購入する流れとは？2種類の販売形態と注意点も解説

不動産を購入することは、一生のうちでそう何度もないため、多くの方が初めての経験で不安に思うこともあるでしょう。
そのため、事前に不動産購入の流れや購入方法、気を付けるべきことを把握してくことをおすすめします。
そこで、不動産の販売形態や購入するときの流れ、購入時に気を付けるべき注意点を解説します。
不動産の購入をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

購入する流れが異なる？不動産の2つの販売形態とは？

不動産を購入する際は、大きく分けて「売主物件」と「仲介物件」の2種類の販売形態があります。
事前にどちらの方法で物件を購入するか迷っている方は、それぞれの特徴や流れを把握しておくと良いでしょう。
ここでは、2つの販売形態の特徴やメリットについて解説します。

販売形態①売主物件

売主物件とは、不動産会社などの仲介業者を間に挟まず直接物件を購入することをいいます。
この場合は、個人同士が直接物件の売買をおこなうことはないため、売主物件とは多くの場合は不動産会社が売主となるのが一般的です。
売主が不動産会社となるケースは、ほかの方から買い取った物件を再度販売する買取再販を指します。
たとえば、買い取った不動産をリフォームして不動産会社が売主になって個人の買主に売却する方法です。
この売主物件のメリットは、間に入る仲介業者がいないため仲介手数料が不要なことです。
また、連絡が早くスムーズに購入できることもメリットといえるでしょう。
ただし、物件探しを自分でおこなう必要があること、また金融機関との手続きおよび契約を自分で調べる必要がある点がデメリットです。

販売形態②仲介物件

仲介物件とは、個人の売主・買主が仲介業者を挟んで不動産の売買をおこなう方法をいいます。
仲介物件のメリットは、不動産会社が仲介するため、金融機関との手続きおよび契約などもすべてサポートしてもらえることです。
また、価格交渉なども任せることができるため、初めての物件購入でも安心です。
一方で、仲介物件の場合は、仲介手数料が発生するデメリットがあります。
仲介手数料とは、売主と買主の売買契約時に成功報酬として不動産会社に支払う手数料のことです。
手数料は、売買価格に応じて上限額が定められています。
仮に、4,000万円の物件を購入した場合は、138万6,000円かかります。
仲介物件は、不動産流通のなかでも大部分を占めている取引であり、より多くの選択肢から選びたいという場合にはおすすめです。
ただし、前述したように仲介手数料が発生するため、メリットと比較して判断する必要があります。

不動産を購入する際の一般的な流れ

不動産を購入する際は、どのような流れで進むのか把握しておくことが大切です。
ここでは、不動産購入時の一般的な流れを解説します。
一般的には、以下のような流れで進みます。

流れ①希望する条件を決める

不動産を購入する際は、まずは家族構成や収入面のことを考慮し、物件の希望条件を決めます。
おもに決めておいたほうが良い条件は、「物件価格」「間取り」「立地」「交通の便」「周辺環境」「築年数」です。
現在の状況から判断するのではなく、将来のことも含めて決めましょう。

流れ②物件を探す

希望条件が決まったら、インターネット上で閲覧したり、直接不動産会社に相談したりして物件を探していきます。
希望する物件が見つかったら、物件情報だけで判断せずに必ず現地まで足を運ぶようにしましょう。
その際は、周辺環境や物件の状態、日当たりなども確認することをおすすめします。

流れ③資金計画を立てる

物件が絞れたら、資金計画を立てていきます。
具体的には、頭金となる自己資金はいくら出して、どのくらいの住宅ローンを借り入れるのかなどを試算します。
また、物件の購入時にどのくらいの費用がかかるのかも把握しておきましょう。

流れ④物件購入を申し込む

次に、物件の申し込みをおこないます。
購入申し込みは、この家を購入したいという意思表示を示すものです。
また、同時に交渉のスタートのための手続きという意味も持ちます。
新築マンションの場合は、申込証拠金として1～10万円程度必要になることがあります。

流れ⑤住宅ローンの事前審査を受ける

不動産の購入申し込みと同時に、住宅ローンの事前審査も受ける必要があります。
実際に、どのくらいまでなら借りられるのか、また、そもそもローンを組むことが可能なのかなどが審査されます。
なお、事前審査に通らないと売買契約に進めないため注意しましょう。

流れ⑥契約を結ぶ

契約を締結する際は、宅地建物取引士から重要事項説明について説明がおこなわれます。
その際は、必ず自分の目で見て内容を確認しましょう。
重要事項説明書と契約書に問題なければ、いよいよ契約を結びます。
その際は、契約の証として手付金を支払うのが一般的です。

流れ⑦住宅ローンを契約する

売買契約を締結したら、住宅ローンの契約です。
事前審査と異なり、本審査では1～2週間程度かかります。
具体的には、年齢や勤務年数、物件の担保評価、返済負担率などから判断されます。

流れ⑧物件の引き渡しを受ける

最後は、物件の引き渡しです。
物件の引き渡し時は、専門家である司法書士によって所有権移転登記および所有権保存登記がおこなわれます。
この登記が済むと、正式に物件の保有者は買主となります。

不動産購入の流れのなかで気を付けるべき注意点

最後に、不動産を購入する際に気を付けるべき注意点を解説します。
不動産購入後に後悔しないためにも、あらかじめ注意点についてはしっかりと把握しておきましょう。

注意点①資金計画をしっかり立てる

前述したように、不動産を購入する際は、資金計画をしっかり立てることが大切です。
とくに、初期費用がどのくらいかかるのかしっかり把握しておきましょう。
初期費用は、新築物件の場合は物件価格のおよそ3～7％、中古物件の場合は6～10％程度かかるとされています。
また、中古物件を購入する際は、リフォーム費用も初期費用として計算しておきましょう。

注意点②災害リスクを確認しておく

近年は、地震や台風などの自然災害が増えてきています。
そのため、不動産を購入する際は、それらのリスクも考慮し場所や物件を選ぶようにしましょう。
各自治体ごとに、災害リスクに備えたハザードマップが作成されています。
これらも活用し、万が一の備えとして事前にチェックしておくことをおすすめします。
また、地震の備えとして、不動産の耐震強度も確認しておきましょう。

注意点③日当たりや周辺環境

中古物件は、新築と比べて価格が安く選択肢が多いメリットがあります。
しかし、どうして前入居者が売却したのか、その理由に目を向けることも大切です。
たとえば、日当たりや周辺環境です。
日当たりが良い物件を選ぶのがベストですが、自分の生活パターンに合った部屋を選ぶのが望ましいといえるでしょう。
また、買い物の利便性や治安など周辺環境もチェックしておきましょう。
とくに治安は時間帯によって異なるため、昼間と夜の両方を確認しておくと安心です。

まとめ

不動産の販売形態には、売主物件と仲介物件の2種類があり、それぞれメリットやデメリットが異なります。
また、購入する際は、資金繰りに困らないためにも、しっかりと資金計画を立てたうえで売買契約を結ぶようにしましょう。
そのほかにも、事前に災害リスクや周辺環境などもチェックしておくと、不動産購入後に後悔することなく安心して生活できるでしょう。