不動産の売却で課せられる税金の種類は?計算方法や節税の方法を解説
不動産の売却時には、売却益が得られるだけではなく、税金の支払いも生じます。
税金の総額をあらかじめ把握しておけば、支払いのタイミングで資金不足に陥ることを避けられるでしょう。
そこで今回は、不動産の売却で課せられる税金の種類について、また譲渡所得税の計算方法や節税の方法も解説します。
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不動産の売却でかかる税金の種類
不動産の売却でかかる税金の種類は、印紙税や譲渡所得税、住民税、登録免許税の4種類です。
ここでは、それぞれの税金の内容について解説します。
種類①印紙税
印紙税とは、契約書の作成時に課せられる税金です。
不動産売却で売買契約書を作成する場合は、契約金額に応じた収入印紙を貼り付ける必要があります。
売買契約書は買主と売主の所有用に2通作成するため、それぞれが印紙代を負担します。
500万円から1億円の範囲で不動産を売却する場合の印紙税は、5,000~30,000円です。
なお、2022年5月の法改正により電子契約による不動産売買契約が可能になりましたが、電子契約書の場合は印紙税はかかりません。
種類②所得税
譲渡所得とは、不動産の売却金額から不動産の購入価格や売却にかかった費用を差し引いた金額を指します。
譲渡所得からさらに特別控除が差し引かれた金額に対して課税されるのが、所得税です。
所得税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課せられ、確定申告をおこなうと同時に支払いをします。
そのため、年の途中で売却をした場合は、買主が売却後の期間に相当する税額を売主に対して支払うことが一般的です。
種類③住民税
住民税は譲渡所得税と同様、売却で利益が出た場合の譲渡所得に対して課せられる税金で、所得税と住民税を合わせて「譲渡所得税」と呼ばれる場合があります。
確定申告をすると市区町村が住民税を算出し、6月以降に課税される流れとなります。
住民税にも、長期譲渡所得や居住用財産売却による軽減税率の特例などが適用可能です。
種類④登録免許税
登録免許税とは、不動産の名義を変更するための登記手続きで課せられる税金です。
登録免許税が売主負担となる手続きには、抵当権抹消登記や住所変更登記、相続登記などが挙げられます。
不動産1個につき1,000円の登録免許税が課せられます。
一方で、不動産売却における所有権移転のため登記申請については、登録免許税は買主が支払うのが一般的です。
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不動産売却における譲渡所得税の計算方法
不動産売却において、もっとも高額になる税金が譲渡所得税であり、あらかじめ費用を把握しておくことは大切です。
ここでは、譲渡所得税の計算方法を3つのステップに分けて解説します。
譲渡所得を計算する
譲渡所得の計算方法は「譲渡収入金額-(取得費用+譲渡費用)」です。
譲渡収入金額とは、不動産の売却価格です。
年の途中で売却をおこない、固定資産税の精算金が支払われた場合は、その金額も譲渡収入金額に含めましょう。
取得費用は不動産の購入時にかかった費用で、物件費用だけでなく建築代金や仲介手数料、購入時に支払った税金なども含めます。
建物は築年数に応じて価値が減少していくため、実際の購入費用から減価償却費を差し引きます。
譲渡費用には、売却時にかかった仲介手数料や契約書の印紙税などを含めましょう。
譲渡所得から特別控除額を引く
譲渡所得税には、条件によって適用できる以下の特別控除があります。
●3,000万円特別控除
●10年超の居住用財産譲渡の軽減税率
●特定の居住用財産の買換え特例
●譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
●相続した不動産の取得費加算の特例
3,000万円の特別控除とは、マイホームを売却した場合に受けられる控除です。
譲渡所得が3,000万円以下の場合は、特別控除を差し引くと税金が発生しないことになります。
その他にも、住み替えをする場合や相続した不動産を売却する場合などに適用できる特例があります。
特別控除を差し引いてもプラスになる場合は、差し引いた後の金額に税率が課せられ、譲渡所得税が決まるのがここまでの流れです。
課税譲渡所得に税率をかける
上記の計算をした結果、課税対象となる譲渡所得のことを課税譲渡所得と呼びます。
課税譲渡所得に税率をかけると、最終的に支払う税額が決定します。
譲渡所得税の税率は、不動産を所有していた期間によって税率が変わるのが特徴です。
所有期間が5年以下の不動産は「短期譲渡所得」で、所得税と住民税を合わせた税率は39.63%です。
所有期間が5年越えの不動産は「長期譲渡所得」で、税率は20.315%になります。
短期と長期では2倍近く税率の違いがあるため、正確に計算することが大切です。
ここでの所有期間は、売却した年の1月1日時点が基準となる点に注意が必要です。
つまり、同じ年の1月と12月どちらに売却をしても、1月1日に売却したとみなされます。
年末に売却をする場合、数日の違いで税率が大きく変わることになるため注意が必要です。
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不動産売却における節税方法
不動産売却時には、節税方法をあらかじめ知っておくと、大きな税負担を負うことを避けられます。
ここでは、効果的な節税方法を3つ解説します。
節税方法①購入額がわかる書類を用意する
譲渡所得税の計算では、売却益から購入費用を差し引く工程があります。
購入時の売買契約書や通帳の記録など、購入額を証明できる書類を用意しておくことは大切です。
購入額が証明できない場合は、売却代金の5%で取得したものとみなされます。
みなし額で計算した場合、実際よりも売却益が大きく計算されるケースが多いため、注意が必要です。
相続などで取得した不動産の場合、購入時の資料を見つけるのが困難な場合がありますが、節税のためには実際の購入額を示す必要があります。
節税方法②適切なタイミングで売却する
売却するタイミングによって、課せられる税額が大きく変わるケースがあります。
「3,000万円の特別控除」は、住まなくなって3年を経過する年の年末までに売ることが条件となっています。
一方で所有期間が5年超になると長期譲渡所得となり、税率が下がるため、5年が近づいている場合は売却を遅らせるのもひとつの手でしょう。
売却のタイミングは、不動産が高値で売れるかどうかを左右する重要な要素でもあります。
不動産市況と税金の制度を比較検討し、もっとも売却益や節税効果が得られるタイミングで売却をするのがおすすめです。
節税方法③特例や控除の組み合わせを考える
上記では、条件に当てはまる方が多い代表的な特例や控除を解説しましたが、他にも特殊な条件で適用できる特例があります。
たとえば、特定土地区画整理事業等や特定民間住宅地造成事業のための譲渡などの状況が挙げられます。
特例をよく調べ、条件に当てはまるものがないか確認しておくことは大切です。
また、利用する特例や控除の組み合わせをよく考えることも節税方法となります。
複数の特例の条件に当てはまる場合、特例によって併用できるものと片方しか利用できないものがあります。
併用ができない特例の場合は、事前にそれぞれを利用した場合の税額を計算し、より節税になるほうを選ぶことが大切です。
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まとめ
不動産の売却で課せられる税金には、印紙税や譲渡所得税、住民税、登録免許税の4種類があります。
譲渡所得税の計算方法は、まず譲渡所得を計算し、特別控除額を差し引いた後で、所有期間に応じた税率をかけます。
購入費用を証明する書類を準備することや適切なタイミングで売却することなどは、節税のために大切です。
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森栄不動産 メディア編集部
株式会社森栄不動産は、1977年の創業以来、一宮市を中心に地域密着で不動産業を営んでまいりました。宅地建物取引士などの有資格者が在籍し、不動産売買はもちろん、空き家の買取やリフォーム・修繕にも幅広く対応しております。長年の実績と経験を活かし、お客様一人ひとりの状況に応じたご提案を心がけております。
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